yoruの記録

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【マッチレビュー】プレッシャーがかかるのは 〜RBライプツィヒ×リバプール 20/21CL Round16 1st Leg〜

 こんばんは、yoruです。今回は今朝行われたチャンピオンズリーグのラウンド16、ライプツィヒリバプールの試合を振り返ろうと思います。

CLは時間あればさくっとレビューを書くことにしました。ぜひさくっと読んでみてください。

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圧殺できるか、脱出できるか。

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スタメンはこちら。

 イングランド勢がドイツに入国できないので、ハンガリーでの中立地開催となったこの試合。それでも一応ライプツィヒがホーム、リバプールがアウェイ扱い。アウェイゴールのルールも適用されるようである。

というわけでどっちかと言ったら主導権を握りたいのはホームのライプツィヒのほう。先制点を取れればだいぶ楽である。ということでリバプールが持つボールを積極的に取りに来る。リバプールの2CBに対してヌクンク、とダニ・オルモがワイナルドゥムを切りながらプレスをかけ、さらに降りていくチアゴやカーティスに対してもザビッツァー、ハイダラが主についていって圧殺を図る。ただ、ワイナルドゥムが降りる動きにはカンプルまで出ると中盤がすっからかんになるので前線のスライドで対処。SBに出ればWBが一列前進。同サイドに圧縮して近いパスコースを消し、ショートパスでの展開を防ぐというやり方。

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多分、リバプール以外のチームなら普通に同サイドで圧殺できたんだろうけど、リバプールのSB及びCBを務めるヘンダーソンはロングボールの精度と速さが異常である。また、この時に目立ったのはチアゴとカーティスの中盤コンビ。チアゴは言わずもがなワンタッチで狭い空間でも捌ける上手い子。カーティスもフィジカルの強さとターンで何度も狭い局面を脱出してみせた。

さらに圧縮をかける後ろでは3トップに対してラインを高く設定している3バックしかいない状況。リバプールの前半の狙いは正にそこで、ライプツィヒが出てきたところを主にSBからのロングボールでマネとサラーの個に託すというものだった。

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ただ如何せんゴールからの距離が遠いサイドからの1対1になるので、シュートまで行けるチャンスはそこまで多くなく、得点には繋がらず。圧縮プレスの回避もアリソンが外に蹴りだすしかない状況も多く、完全に攻略していたかと言われると前半は半々くらいじゃなかったかな。

 

じゃあライプツィヒはボールを奪った時どうしてたかというと、多分フィニッシュを左サイドという風に設定してそこから逆算して右サイドで作っていく感じ。リバプールの前線からのプレスに対してはカンプルが動いてパスコールを作り、ハイダラ、ダニ・オルモが一列づつ降りてきて数的優位を形成。全体的に右側でボールの持ちどころを作って、最後は左のアンへリーニョ、その横に飛び出てくるザビッツァーがフィニッシャー役。

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ただ、ウパメカノの縦パスの引っ掛かりが多かったり、最後のフィニッシュの精度が伴わなかったり、中央に集まりすぎてリバプールの網に引っかかることが多かったり。ビルドアップ時に幅を使えず、結果的に中央で引っかかる場面が多く見られた。また、ライプツィヒが同サイドに圧縮して奪っても、同時にリバプールも圧縮して脱出させない状況になり、速いゲームスピードの中でいかに脱出するかが求められた前半だったように思う。

 

 

プレッシャーがかかるのは

 前半から攻守の入れ替わりが激しく強度が落ちないまま進んだ試合。後半になっても強度が落ちる気配はなく、そうなった時にこの強度の高さに慣れており最悪引き分けでも良いリバプールと、最終ラインの個で競りながらもホームゲームとしてなんとか得点が欲しいライプツィヒでは、やはりライプツィヒの方がプレッシャーはかかっており無理が出てくるものである。

結果的にザビッツァーのパスミスをサラーが取りそのままゴールに流し込んだ1点目と、カーティスのボールをムキエレが早まって倒れ込んでしまい、マネにそのまま突破された2点目と、どちらもライプツィヒの最終ラインでのミスでリバプールが10分間で2点獲得する。

 

 こうなると圧倒的に余裕が出てくるのはリバプール。先日のレスター戦では一点取った後にプレスが緩み、主導権を失ってしまったが故に一失点してから一気に瓦解してしまったが、この試合は2点の余裕もあり、チームとしてのプランが「ある程度引き込んでカウンターを狙う」とはっきりしたおかげで全体的に強度を保つことができた。そのような状況であればチアゴをに変えてチェンバレンを入れても、ブロックの強度を上げつつカウンターに備えることができる。

ライプツィヒポウルセン、ファンヒチャンを投入し攻勢を強めてきたものの、幅を使いきれずどこか単調な攻撃になり、リバプールが凌ぎ切りクリーンシートで試合を終えた。

 

RB LEIPZIG 0-2 LIVERPOOL FC

@プスカシュ・アレーナ

LIV ハメド・サラー 53'

サディオ・マネ 58'

 

【まとめ】余裕を持てた人と試合

リーグ戦3連敗から迎えたCLの決勝トーナメント初戦、過密日程もあり怪我人の少ないライプツィヒの強度についていけるか心配だったが杞憂だったようだ。特に、中盤のチアゴとカーティスはビルドアップ時にプレス回避として役割をこなすだけでなく、守備面においてもプレスバックは速く、中央の封鎖がうまく行っていた。その背景にはライプツィヒが前からプレスをする代わりに最終ラインを数的同数で守っていたために、リバプールの攻撃が3トップだけで完遂できたことが大きい。レスター戦のように3トップで完遂できずIHまで攻撃に参加しようとすると、チアゴとカーティスでは守備が若干回らなくなってくる。この試合ではライプツィヒが試合を通じてこの二人が余裕を持てる試合運びをしてくれたことが功を奏した。その余裕は最終ラインにも波及し、カバクとヘンダーソンのコンビもサポートし合い、決定機を防ぐことができていた。

対して時間が経つにつれ余裕がなくなり我慢できなくなってしまったライプツィヒ。2点取られた後も、幅を使いきれず中央からの攻撃に注力し、中央を固めるリバプールのブロックをなかなか崩せずに時間を使ってしまった。ホームと言えないホームゲームということも大きく影響しただろう。

次節の対戦では2点のアドバンテージを持っているが、この試合とは全く逆の立場になってしまったということも十分あり得る。それぐらいこの試合はどちらが先に最終ラインでミスをしてしまうかという部分が試合を決定してしまうレベルであった。この試合をきっかけにリーグ戦で自信をつけ、次節の戦いでは余裕を持って戦いたいところだ。

 

 

それでは!

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