yoruの記録

雑記ブログに見せかけてほとんどサッカー(Liverpool,Dortmund)の話。

【マッチレビュー】遅くしたい。速くしたい。 〜セビージャ×ドルトムント 20/21CL Round16 1st Leg〜

 こんばんは、yoruです。普段はリバプールの事ばっかり書いてますが、一応私ドルトムントのファンでもありまして、ドイツの黄色いチームをここ10年くらいはずっと追ってる身であります。ということで今回は今朝行われたCLのセビージャ対ドルトムントを振り返ろうと思います。ドルトムント目線が多くなってしまいますがご了承。 


 

 

【スタメン】直近の両チーム

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スタメンはこちら。 

 

「最近のセビージャは強いらしい」という噂はラリーガをあまり見ないプレミア、ブンデス畑の僕のところにも届いてくるほど。そして「クンデっていうめちゃんこ良いCBがいる」という噂も。その噂通り最近のセビージャは公式戦9連勝中、そして最近7試合連続クリーンシートという素晴らしい成績。アクーニャ、オカンポスが怪我で離脱中も右SBにJ.ナバスが戻ってきており、自信たっぷりでホームにドルトムントを迎えることとなった。下馬評もセビージャ優勢。

 

 対するドルトムントボルシアMGから来季の監督を引き抜くことに成功し絶賛嫌われ中。その引き抜きの原因となっているのはリーグ戦での全くパッとしない情けなさすぎる成績であり、現状もリーグ戦2戦勝ちなし。ビルドアップの陣形もいろいろ試しているようだがフワッとしていて上手くいかず、挙句カウンターをくらい失点たっぷり。セットプレーからもスッと失点する。得点シーンは個人での突破が鍵であり、そのため相手に引かれると何もできないことが多く「前半のハイライトがほぼ無い」なんて試合もザラである。

今まで中盤のリーダーだったヴィツェルが怪我で離脱してからというもののそのフワッと感に拍車がかかり、さらにその代わりを務めていたデラネイもこの試合は欠場となった。ということで中盤はジャン、ダフード、ベリンガムの3センター。普段4231でトップ下を置く構成に比べると守備的な布陣と言える。

 

【前半】遅くしたい。速くしたい。

 前半7分、いきなりセビージャが先制する。高い位置に押し込んだ後に左のフェルナンドから右に展開。右に待ち受けるスソは左利きの選手。ブロックに戻ったサンチョやベリンガムは左足でのシュートを警戒。スソもそのままカットインからのシュートと思いきやフェイントで右足に持ちかえシュートを放った。シュートはフンメルスに当たってゴールイン。ヒッツはノーチャンスだった。スソのリアリティあるシュートフェイントも見事ながら、J.ナバスのランニングによりR.ゲレイロが詰めれなかったのも得点の要因である。スソって右足も普通に使えるんだね。

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 開始早々からゲームスピードを高めてなるべく少数での速攻回数を増やしたいドルトムントと、なるべくゲームスピードを遅めて相手の速攻を減らしつつ、相手を押し込みSBを絡めて攻めたいセビージャだったが序盤の結果はセビージャの理想となった。

 

 ただ、一失点してからのドルトムントはそこまでセビージャの攻撃を受けすぎず、特に3センターの距離感が改善。ハーフレーンをベリンガム、ダフードが閉めることで、パブ・ゴメス、スソをブロック内から締め出し、エン=ネシリが孤立、セビージャのボールが外回りとなってしまう。また、フェルナンドも積極的に前に出て来ていたため、最終ラインではジョルダンとCB2人に対してドルトムントの3トップが残っているという状況も多くありカウンターの起点となった。

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ドルトムントの前線の3人は多少距離感が遠くても、またゴールから遠くても一人で時間を作れたり、一人剥がすことは可能な選手。セビージャがゲームスピードを遅くしようとする中、自陣で奪ってからすぐに前線の3人にボールを送り速攻を試みる。

その結果、スローインからハーランドが時間を作り、上がってきたダフードが撃ち込んだ1点目、縦パスをまたもハーランドがキープし振り向き、サンチョとのワンツーで抜け出し決めた2点目、ラキティッチの横パスを突いてロイスとハーランドで完結した3点目と前半のうちに立て続けに個の力をベースにした速攻で3得点し、前半のうちに試合をほぼ決定づけることに成功する。

守備が改善されたことにより得意のスピード感の速い展開に持ち込むことができたドルトムント。普段の4231の布陣から4321の中央が厚い布陣に変更した結果が出たと言っていいだろう。

 

【後半】2ndレグに繋げられるか。

 ホームでの3失点による敗戦はいただけないセビージャ。2ndレグがあるとは言え出来る限り得点を稼いでおきたいところ。守備時のドルトムントの3トップに対しては布陣を3バックに変更することでハーランドに強く行けるように。ボール保持時における攻撃は人を変えることで改善を図ろうとする。ロペテギは60分までに4人選手を入れ替えるが、その中で目立ったのはオリベル・トーレス

 徐々に運動量が落ちてくるドルトムントの3センターに対して、ブロック内及びその周辺を動き回りながら配球することでドルトムントのブロックが中央に収縮し、その分強みである外側も使えるように。結果的にブロック周りでのドルトムントのファウルが増え、オスカル・ロドリゲスのFKからポスト直撃が一回、ルークデヨングの得点が一回と同点になってもおかしくない内容であった。

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一方後半になって試合をうまく締めることができなかったドルトムント。ボール保持で攻勢を強めるセビージャに対し効果的な交代や戦術変更ができず一失点してしまった。運動量が落ちていく中盤をなかなか交代できなかったのは、やはりヴィツェルやデラネイがいなかったことが大きい。仕方ないところもあるが例えば442に布陣を変更してハーランドの守備の枚数を増やしながら、レイナなどハーランドのサポート役を置くなりしてみてもよかったのではと思う。

 

後半だけ見れば布陣を変更し強みであるサイド攻撃を中心にゴールに迫ったセビージャと、前線に起点を作れず運動量が落ちる中、防戦となってしまったドルトムント。2ndレグに希望を繋げられたのはどちらであろうか。

 

SEVILLA 2-3 DORTMUND

エスタディオ・ラモン・サンチェス・ビスフアン

SEV スソ 7'

ルーク・デ・ヨング 84'

BVB マフムド・ダフード 19'

アーリング・ブラウト・ハーランド 27' , 43' 

 

【まとめ】こういうの続けられませんかね?

 セビージャは自慢の守備が機能せず3失点。痛いアウェイゴールとなってしまった。前半はドルトムントの土俵に引き込まれたものの、それでも後半になって布陣と人を変更し、自分たちの得意な土俵にドルトムントを引き込み同点に追いすがる攻撃を見せたのはさすがロペテギ。2ndレグで十分逆転できるヒントを得ただろう。怪我人が戻って来れば前半停滞した攻撃も改善されることは十分に予想される。2ndレグまでに気を付けたいのはこれ以上の怪我人の発生ぐらいだ。

 後半若干の怪しさを見せたものの、アウェイで3得点で勝利を収めたドルトムントは良い出来であったと言っていい。守備で相手の良さを消し、速攻で個を生かす戦い方はセビージャ相手によく練られたものだったし、自分たちの強みが出せた試合だったろう。ただ、直近のドルトムントの問題はリーグ戦でこの試合運びと強度を持ったプレーを継続できないことにある。ボールを持っても縦に速い攻撃はなかなか見られず、ブロックを攻めあぐねるばかり。結果的に前がかりになってカウンターをくらってしまうという循環。相手が引いてしまうというリーグの中での立ち位置というものもあるが、セビージャ相手にこれだけの試合運びと効果的な戦術を取れるのならもう少しリーグ戦でも工夫を見せてもらいたい。

週末にルールダービー、来週ビーレフェルト戦を挟んで、ポカールのボルシアMG戦、リーグバイエルン戦、そしてセビージャ2ndレグと難敵との連戦が続くが今日の試合のような強度とビジョンを持って戦い続けて欲しいところである。

 

 

それでは!

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