yoruの記録

雑記ブログに見せかけてほとんどサッカー(Liverpool,Dortmund)の話。

【マッチレビュー】ブンデスらしい殴り合いの結末 〜ドルトムント×フランクフルト 21/22 ブンデスリーガ第1節〜

こんばんは、yoruです。
いよいよ始まった欧州サッカー。レビューも書いていくぜ!

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【前半】最後を仕上げられるのは

 スタメン。

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お互い指揮官が変わって臨む新シーズン。どちらもブンデスの指揮官らしくラングニックの影響を色濃く受けた指揮官であり、「走り、闘う」サッカーを信条とする指揮官である。
ということで序盤はボールの奪い合いに。お互いGKまで積極的にプレスをかけ、ロングボールを蹴らせ主導権を握ろうとする。特にボール非保持時に鎌田がダフード番となることで中盤はがっぷり四つに。

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なかなか落ち着かない試合展開から先に落ち着きどころを見つけたのはドルトムント。PSMではティッゲスとハーランドというゴール前で仕事をするタイプのスタメンから、この試合変わってスタメンになったアザールのところから。アザールはティッゲスとは違い外側でも仕事ができるのがいいところ。コスティッチの背後、ワイドレーンにポジションを取ることで、エンディカを吊り出すと同時に、コスティッチがパスラックに当たりにいけなくなる。

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そうしてパスラックに時間が与えられると、そこから中央のロイスやハーランドに縦パスが入り始める。しかしそこからのクオリティが出せなかったドルトムント。ハーランドが最後なのはお互い分かり切っていることなので、フランクフルトも中央を締めてボールを回収していく。

 また20分前ぐらいから距離感を掴んだコスティッチが前に出れるように。パスラックからアザールのパスは少なかったし、背後を気にする必要もそれほどないと感じたのかもしれない。

 

 ドルトムントの最終目標がパスラックからロイス、ハーランドに前をむかせることだったとすれば、フランクフルトの最終目標はコスティッチにクロスをあげてもらうことである。それがこのクラブの去年からの継続したストロングポイント。そのコスティッチのための時間を作る役が鎌田である。攻撃時には鎌田はダフートから離れ、コスティッチと左サイドで数的有利を作り攻略していく。

しかしボックス内で決定的な仕事ができなかったのが痛いところ。ボックス内の動きも少なく単調な攻撃に終始する。そうしてドルトムントのロングカウンターが発動する。カウンターを追う場面になると長谷部さんが脆くなってしまうのは日本人として少し悲しい。一点目のロイス、二点目のアザールどちらも3バックがガッツリ晒されきっちり決められた。
フランクフルトも前線のプレスからボックス内までは運べていたが、パスラックのオウンゴールのみというストライカーの仕事が対照的なものになってしまった。

フランクフルトは前線からの守備が機能し始めた時間に失点してしまったのも悲しいポイント。徐々に前と後ろが分断されていく。そんな分断された間にロングボールを放り込まれ、ロイスに逸され、アバウトなボールをハーランドに掻っ攫われるとまた失点。トラップまでなんだかフワッとしてしまい、もうフワッフワな状態で前半を終える。

 

【後半】殴り合いに持ち込む。勝ってるけど。

後半、フランクフルトは4バックに修正。ハーランドはCB二枚で見つつ、サイドをコスティッチ1人からSBとの2枚にし、そのクロスに飛び込める人員を増やした。このフランクフルトの修正は成功したと言っていいだろう。安定してコスティッチからクロスが供給され、中で待ち受けるのはボレ。体幹の強いヘディングでゴールに迫る。

しかしコベルが守るゴールをなかなか破ることができず。それでもフランクフルトは前半からのプレスは継続。4バックにして後ろの不安が軽減されたのもあるだろう。4-2-2-2のような形でGKまでプレスをかけていく。一方2点リードしているドルトムントはまたしてもこのプレスに対してがっつり組み合っていく。前半の終わりくらいから明確にダフードとベリンガムの2ボランチにして、4-2-3-1の形に変更。お互いプレスを掛け合い、ブンデスらしい試合展開に。そんな中、中央で全員に明確にマークマンが付く中でズレを生み出したのはロイスとダフード。

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ダフードは左右に大きく動くことで、ハウゲが見るのか、ボレが見るのかを曖昧に。また自分の背後のスペースを作り出し、前線のプレスを無力化する。またロイスはハーランド一人でDFラインをピン留めできることがわかると、ボランチのラインまで降りていき、ビルドアップに参加。プラス1を作り出しプレスを掻い潜るきっかけとなる。この状況になるとCBにヴィツェルがいるのがとても効いてくる。

プレスを掻い潜った後は中盤をすっ飛ばしてDFラインの裏狙い。ハーランドが競り合う間にレイナやベリンガムの2 ,3列目が猛スピードで突っ込んでくるという仕様である。

こうして後半も殴り合いの状況に持ち込んだドルトムント。決定力という点でブンデスリーガ内ではほぼトップランクにいるチームなのでそうそう負けない。

後半だけでもシュート数はドルトムント6本、フランクフルト9本なのに結果は2-1と、フランクフルトにとっては悲しい現実である。

最後までムココ、マレン、ティッゲスと殴り合いの手を緩めない交代策だったドルトムント。観客の入った開幕戦を5-2の快勝で終えた。

 

【まとめ】強みを活かすには。

 やはり昨シーズン28得点のストライカーがいなくなった影響は大きいフランクフルト。特にこの前線からのプレスと即時攻撃を求めるのであれば一定以上のボックス内の威力が欲しいところである。また鎌田がいなくなった後半、ボールを持ち時間ができたときの攻撃の手が乏しかったのも気になるところ。SBが内側に絞るのは良いが、幅取り役がおらず、狭い中央を抜くことしか手がなかった。コスティッチが降りた後は左も若干詰まり気味。鎌田とコスティッチという二人の強みを活かすにはランドマークになるようなストライカーの補強は必要だろう。

 

 久しぶりの観客入りのホームで快勝を収めることができたドルトムント。CBなど所々にけが人の影響で選手層が薄いところはあったものの、その弱点を多く晒すことなく戦うことができた。開幕から5点も見れて大満足である。マルコローゼの色も前半からプレスの場面など出ていたし、後半も殴り合いにしたのはマルコローゼ色なんだろう。まあ選手の個性だったり才能とは合っているんじゃないかと思う。それでもブロックを敷いた相手に対しての崩しはまだ仕込み途中なのかなと言ったところ。プレス回避は良かったが、ファイナルサードではやはりロイスの狭いエリアでのスーパープレーが出ないと崩せない感じ。フランクフルトが前から出てきてくれたからカウンターも刺すことができたが、引いた時にはなかなか崩せなかった試合であった。これから稀代の点取り屋がいるとう強みを最大限生かして欲しいものだ。

 

それでは。

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