yoruの記録

雑記ブログに見せかけてほとんどサッカー(Liverpool,Dortmund)の話。

【マッチレビュー】 〜リバプール×バーンリー 21/22プレミアリーグ第2節〜

こんばんは、yoruです。
21/22もリバプールのマッチレビュー書いてくぜ!!!
開幕節はサボった計画的にお休みをいただいたので今季は2節から。Let's go!!

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スタメン

大きくて強い奴ら。

 今、プレミアリーグのチームを知らない人に一番説明しやすいチームはバーンリーだと思う。まず選手に目を向けると、191cmのウッドと186cmのバーンズの2トップを筆頭に選手のほとんどが180 cm越え。この試合でも左SBのテイラーが176cmだが、それ以外はみな180cm以上のスタメンである。そんな11人が走るピッチに目を向けると、そこで目にするのはロングボールとそれに飛び込む屈強な男たちである。説明、以上。

 

 

 

流石にこの説明で100まで分かる訳ではないが、多分75ぐらいまでは説明できている。同じ文量でチェルシーを説明したら5くらいだ。ということでバーンリーは基本的にボールを持ったらCFへロングボール。これをCF(主にウッドが受けることが多い)がまず競り勝てるかが1つ目のチェックポイント。そしてそのこぼれ球、落としを拾えるかが2つ目のチェックポイント。そのためにバーンリーの中盤はボール捌きより当たり負けしないだとか、走り負けしないというのが主な仕事。そして、その拾ったボールをサイドに展開し、クロスをあげれるかが最後のゴールへのチェックポイントである。ゴールに飛び込むのは2トップと逆サイドのSHの役割で、クロスをあげる時間を作るのはボールを受けたサイドのSHとSBの2人で行うお仕事という感じ。

この3つのチェックポイントを通過できればゴール前にクロスが供給され、あとは屈強な男が飛び込むだけ。

また昨季からは前線からのプレスも敢行。前線で奪えれば儲け物だし、相手が苦しくなってロングボールを蹴ってくれれば屈強なDFが競り勝ち、またチェックポイントを目指していくことになる。昨季後半はこの屈強な男たちがドッタンバッタンとクロスをあげたりプレスに走ったり、攻守が噛み合い、無事残留となった。

 

そんなバーンリーが対するのは、プレミアリーグで一番空中戦が強いであろうDFファンダイク(193cm)と背が高いだけでなくジャンプ力もあるマティプ(195cm)のCBコンビ擁するリバプールである。まともにやり合えばクロスは簡単にはじき返されてしまうこの相手に対してバーンリーは少し工夫をしてきていた。

 

バーンリーの工夫

特に自陣からパスを繋ぐ選択肢は持っていないバーンリー。1つ目のチェックポイントであるCFのロングボールに競り勝つというのはどうしようにも変えられないのでここはウッドに頑張ってもらうしかない。ただ、2つ目のそのこぼれ球を拾うというチェックポイントを通過しやすくするために、ロングボールは真ん中よりサイドに多めに。さらに拾い役としてSHも追加。特にロングボールを受けることが多いウッド側のグズムンドソンはウッドの近くに寄ることでその確率を上げる。

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 そうして拾ったボールは上がってくるSBへ。そしてあまり深い位置まで行こうとせず、GKとDFラインの間のスペース目掛けてアーリークロス。これでリバプールの高いCBとまともに戦わず、タイミングと精度の問題だけにすることができる。

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また、このアーリークロス作戦は逆サイドのSHもボックス内に入っていくことで、競り合いが苦手なリバプールのSBと戦える状況を作ることができ、さらにゴールの確率を高めることができる。
序盤はこの3つのチェックポイントを近くに、速く通過することによってゴール前のシーンを増やすことができていた。ファンダイク相手にも五分五分ぐらいで競り勝っていたウッドはさすがである。さらに失った時にはプレスをかけ、ロングボールを蹴らせることでチェックポイント通過サイクルを回していきたいバーンリー。しかし、プレスがうまくかからず攻撃が単発になってしまい、徐々に勢いを失っていく。

 

幅と奥行きを素早く。

リバプールの攻撃の特徴といえば幅と速さを同時に使えることだと思っている。相手がサイドに押し込めようとプレスをかけてきても高い精度のサイドチェンジと速いパススピードで空いている逆サイドに展開。そこから相手が戻り切る前にサイドからクロスやドリブルで仕留める。ゴールが真ん中にあるサッカーにおいて本来幅を使うことと、速く攻めることはなかなか共存することはないが、リバプールはそれを両方高い精度で共存させることができる。それを可能にしているのはファンダイク、アーノルド、アリソン等のバックス陣である。(昨シーズンはなぜだかこの攻撃を見ることはできなかったが)(ちょっと記憶がなくなっている)

 

プレスをかけ、波状攻撃を仕掛けたいバーンリーだが、そのファンダイクやアーノルドは少しでも時間があれば前線にパスとなるボールを蹴ることができる。ここで苦し紛れのキックにならないところが素晴らしい。また、プレスが激しい場面では無理に前に蹴らず、いったんアリソンを経由し、バーンリー全体が間延びしたところで、斜め前にロングパスを差し込んでいけば、バーンリーはスライドしつつ長い距離を戻らなければならない。リバプールからすると相手が前に出てきてくれてたおかげで擬似的なカウンターを発動することができる。
リバプールの1点目はそんな左右に振られ、かつ中央も見なければならないバーンリーのタスクが溢れたところから。自分の目の前にいるマネやケイタが気になり、ツィミカスへのアプローチを怠った結果、フリーのツィミカスからボックス内のジョタへピンポイントクロス。満員のアンフィールドへの挨拶弾で先制する。ボックス内はジョタ1人だったものの、左右に振られるとボールウォッチャーになってしまい、その中で背後から出てくる選手を捕まえるのは難しい。

 

スペースを供給する若者

 この試合、一つの見どころとしてあったのはリバプールでの初スタメンとなったエリオットのプレーぶりであろう。右IHとして出場したエリオットはリバプールの他のIHとは少し違った動きでリバプールの攻撃の起点となった。

 

リバプールのIHはどちらかというと守備的で、前線に飛び込んでいくというよりはSBを押し上げ攻撃させた上で、そのこぼれ球を拾い二次攻撃に繋げるために、中央にポジションをとることが多い。

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昨季までのリバプールだとこう。

しかしこの試合、エリオットはしばしばサイドに流れる動きを見せる。そうする事で利益がもたらされるのは同サイドのサラーとアーノルド。エリオットが開くとバーンリーディフェンスが横に広がるので、中にスペースが生まれる。

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そのスペースにサラーやアーノルドが入っていくわけだが、特にアーノルドは昨季と比べて内側でプレーする機会が明らかに増えたと思う。さらにアーノルドが内側に入るとボックス内に斜めに入っていくマネやジョタが活きてくる。2点目のシーンや、その前の同じようなマネのボレーシュートもエリオットが開き、アーノルドが内側に入る事で生まれたシーンだ。

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当然、サラーが開いても相手にとってはフリーにさせたくない訳で対応せざるを得ない。するとまた中にスペースが開いてくる。んでそこにはエリオットとアーノルド。

 つまりこの試合、右サイドのサラー、アーノルド、エリオットは3人がそれぞれ中と外を行き来し、バーンリーのDFを広げ中央にラストパスを出すことができていた。昨季まではサラーとIHが内側、アーノルドが外側と固定されていることが多く、相手も対応がしやすかったが、エリオットが入ってことによって明確に良い変化が起きたといっていいだろう。ただ、その外側の幅を正確にかつ相手がスライドしきれない内に使えるのは先述したファンダイクやマティプのおかげである。さらにポジションを入れ替えたとしても(守備になったら戻る距離が長くなっても)対応できるのも、対人がめっぽう強いファンダイク様とマティプ様、そして最後に控えるアリソン様のおかげである。ありがたや。

 

さて試合の方に話を戻すと、バーンリーもJ.ロドリゲスを投入し、空中戦よりは個人での突破に期待をかけカウンターを行う。マクニールはバーンリーの中では珍しく、前半から長い距離ボールを運べ、決定機まで持ち込める選手だったが、さすがにガス欠とプレスがかからないことによる試行回数不足。一方リバプールは2点取った後にはチアゴやフィルミーノを入れ試合をクールダウン。満員のアンフィールドの前で勝利をもたらすことができた。

 

強みを生かし続けられるか。

開幕2連敗となってしまったバーンリー。ただ、たぶん第三節も大きくやり方は変えてこないだろう。つまり結局のところ自分たちの強みである空中戦の強さを生かしながら、ゴールにするための3つのチェックポイントを通過できるかというところと、奪われた後のプレスがかかるかというところが勝ち点が取れるかどうかに直結してくる。そのための選手のコンディションを保つことができるかもポイントだ。最後までプレミアらしさの一翼を担ってもらいたい。

変化あり、見所たっぷり。

開幕2連勝となったリバプール。前線の攻撃のタレント、特にサラーとマネは夏休みの休養がしっかりあったということもあってコンディションは上々。点を取りたい場面でしっかりと取れている。またその攻撃陣を支えているのがDF。やっぱりファンダイク様である。対角に送るフィードはリバプール得意のサイド攻撃を活性化させ、広く、速く攻めることを可能にさせている。(昨季、ほんとなんでいなかったんだろう)

汗かき役のイメージが強い中盤は、今期はサイドに流れることも多く、昨季のように中央をコンビネーションで崩すの待ちの攻撃から、サイドを流動的に使いながら攻めていけるアレンジ役も担うようになっている。そのためのタレントであるケイタ、エリオット、ジョーンズあたりは期待されるだろう。次節はBIG6初戦となるチェルシー戦。お互い2連勝と来ている中で、ファンダイク対ルカクチェルシーのビルドアップ対リバプールのプレス、トゥヘルとクロップのドイツ人監督対決、アーノルド対リースジェイムズのイングランド右SB対決など見所たっぷりの一戦となるだろう。楽しみに待ちたい。

 

 

それでは。

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