【マッチレビュー】それが出来ればだいぶ楽 〜ドルトムント×グロイター・ヒュルト 21/22ブンデスリーガ第16節〜
こんばんは、yoruです。
お久しぶりとなってしまいましたが、今日はドルトムント×グロイターヒュルトの一戦のレビューをこの通勤電車内からお届けします。
3センターを攻略せよ!
スタメン
前節初勝利を収めたグロイターヒュルト。
3バックのウニオン相手には4-3-3のラインを作り、3トップが3CBへアプローチをかけると同時に、ウニオンの攻撃をサイドに誘導。攻撃の中心となるクルーゼを攻撃に絡ませず、外からのクロスに関しては中央に人数をかけはじき返すという策で後半から入ったアウォニィ諸共完封。
攻撃に関しては前線が頻繁にサイドに流れ、中央のティルマンらの上がりを待ちつつ、得意のクロスで回数は多くないもののゴールに迫り、結果CKから得た得点を守り切っての勝利となった。
で、このドルトムント戦となるわけだが、ドルトムントは最近は4バックを選択中。バックスの問題と言うよりはホーランがいるかどうかで3バックか4バックかを決めているような感じ。ということで方針的にはウニオン戦と同様、ヒュルトは4-3-1-2の陣形でCBを監視しつつ構えることになる。
ドルトムントの2CBを見るのはイッテンとレウェリングの二人。その背後にドゥジャクがおり、ヴィツェルを見るという役割だ。中央は3センターが立っており、真っ直ぐ縦パスは出せない状況。つまりドルトムントは噛み合わせ的に空くSBからボールをいかに進めるかということになる。
当然、SBのところで時間をかけるとヒュルトは3センターがスライド。中央へのパスコースはカットを狙ってくる。なのでドルトムントに残された選択肢は
①3センターを前後に動かしてギャップを作る
か、
②3センターがスライドしてくる前に縦パスを差し込む
の二択だ。
で、まず見れたのはロイスとブラントによる①の崩し方。ムニエがボールを持つと、下がってハーフレーンでボールをもらおうとするブラントとそれに呼応して外側の裏を狙うロイスの動きで3センターのマークを外しながら、ゴール前に前進。
また同じようにロイスが落ちながらブラントがサイドに張ったりと、「こりゃ俺らにしかわからんぜ!!」と言わんばかりの二人のコンビネーションでヒュルトのプランは壊せるようなシーンは何度か見れた。この二人は動きながら段差を作ってパスコースを作るのが本当にうまい。狭くても取られないし。
ただ、「こりゃ俺らにしかわからんぜ!!」というのは味方も若干そういうところがあって、いつもならこういうシーンで絡んでくるベリンガムが右サイドでは絡めなかったというのが決定機を作れなかった要因か。もう一人いればなというシーンが多かった。
また左サイドだと縦のスピードが持ち味であろうシュルツと、ストライカー気質のあるアザールのコンビのため右サイドのように有機的に動いて相手を動かすという崩し方は見れなかったのは課題。デイビスとサネを見習ってもらいたい。
②の崩し方の方はというと、3センターがスライドしてくる前にと言ってもCBからSBにボールが出たタイミングではスライドが間に合ってしまう。なのでSBからいかにCBを経由せずに逆サイドに持っていき縦パスを入れるかというところがポイント。
となると左サイドに張るアザールのカットインは一つの武器として活きてくるし、裏を狙うベリンガムも目立つようになる。ベリンガムが裏に抜けていくことで、ヒュルトの守備は背後に引っ張られるし、するとアザールのドリブルコースが開くという算段だ。シュートは打てなくても、真ん中には絞ったブラント、さらにブラントのおかげでスペースを享受できるムニエが逆サイドにいるので決定機は狙える動きであった。
またロイスが3センターの前に降りてきてSBからのボールを引き出し、ヴィツェルに落として逆サイドに展開するというのもシンプルながら効果的。
先制となったPKを得たプレーはヒュルトのネガトラの隙間でロイスがサイドチェンジを成功させたところから。アザールの内側への移動と裏に抜けるベリンガムでホーランのシュートまでつなげることができた。シュートが手に当たってPK。ドルトムントは課題となっていた格下相手に対しての先制点を得ることができた。
変更失敗からの修正成功
ドルトムントが次に目標とするのは1-0の時間を短くするための追加点である。またヒュルトが守備の形を掛けない限り、上記の崩し方は効くので継続が望まれる。
後半に入ってその継続のためにベリンガムに変えてダフード投入。左右にボールを散らせるダフードで3センターを動かしていこうという考えだろう。ベリンガムもゴール前にはいるがビルドアップでは貢献できていなかったし。
ただ結果的にはダフードがハーフレーンに流れてフリーにはなるものの、ロングボールが増え、攻撃が単発に。前半の厚みのあった攻撃は何処へやら。これはヒュルトが待ち望んだ展開。ボールの回収地点が高くなりカウンターを連発。サイドに流れてSBの周りに人を集めながら、ゴール前に人が流れ込む。後半始まって25分くらいまではヒュルトの方がチャンスを作ってたんじゃないかな。ここで追いついていればね。。。
ここで決壊せず、交代で再度流れを引き寄せたのはローゼお見事。ロイスに変えてジャン、アザールに変えてマレンを入れて、守備の強度をあげつつ直線的にゴールに向かう選手を入れ、単発になっていた攻撃をゴール前まで行かせつつ、カウンターを止めるようになる。ヒュルトも疲労でオープンな試合展開になっていたし。82分にはフリーキックから待望の追加点、88分にはブラントの献身的な走りからマレンが華麗にゴール。坊主にしたマレンは体が軽そうでした。まじで髪が重かったんじゃないの?
結果、終わってみれば3-0でドルトムントが快勝。ロイス、ホーランの主力も休めつつ2試合ぶりの勝利となった。
こういう試合ができれば楽
前節、ウニオンを完封したという自信とともに乗り込んできたヒュルト。その通り前半までは献身的な走りで押さえ込んでいたが、ネガトラの瞬間を狙われて先に失点してしまうとその後が難しい。後半ドルトムントの攻撃がロングボールで単調となっていたタイミングで追いつけていれば、試合は確実に変わっていただろう。ラストの精度を上げ降格争いを作っていきたいところ。
格下相手に先制するというミッションをこなし、その後流れを手放すも交代で取り戻せたのは試合運びが下手くそだった以前と比べれば大きな成長といっていい。結果クリーンシートである。特にブラントはこの試合あまり自由に動きすぎず、周りの動きを見た上で最大限自分の持ち味を出しており、このパフォーマンスが続けばなぁという感情。てか続けておくれ。
勝てる相手に確実に勝っていくのがブンデス優勝に向けては一番の近道なのでこのまま優勝争いを期待させて欲しいところである。
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