yoruの記録

雑記ブログに見せかけてほとんどサッカー(Liverpool,Dortmund)の話。

【マッチプレビュー】贅沢な試金石 〜マンチェスター・C×リバプール 20/21プレミアリーグ第8節〜

こんばんは、yoruです。ご無沙汰してます。ちょっと大学が忙しくなってきて、ブログを書く時間が取れなくなってきました。

 

ということでリハビリも兼ねて今回は11/8 25:30キックオフのビッグマッチ、プレミアリーグ第8節 マンチェスター・Cとリバプールの一戦をプレビューしていきます。

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対戦成績

vs Man City  @Anfield

16/17  1-0  WIN

17/18  4-3  WIN

18/19  0-0  DRAW

19/20  3-1  WIN

3W1D0L

 

vs Liverpool @Etihad

16/17  1-1  DRAW

17/18  5-0  WIN

18/19  2-1  WIN

19/20  4-0  WIN

3W1D0L

 

ペップがシティの監督に就任してからリーグ戦では8回の対戦があるが、お互いにホームでは負けなし。3勝2分3敗の完全なる五分である。

チームニュース

Man City

Liverpool

 

予想スタメン

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展望

神は細部に宿る

 今やサッカー界の中でも1,2位を争う盛り上がりを見せることとなったこのカード。それはペップとクロップという稀代の名将同志によるライバル対決というのもあるだろうし、なんかユニフォームが赤と水色で綺麗ってのもあるかもしれないし、もう一つのマンチェスターさんが、、、ってことも関係してるかもしれない。じゃあ、サッカーの内容もポゼッションのシティ、カウンターのリバプールと自分たちのカラーを強く出して、バチバチと哲学で殴り合ってるかと言われればそうでもないのがここ2シーズンくらいの傾向である。シティもカウンターを狙うし、リバプールもボールを持つ。シティの支配率が50%を下回った試合もあるぐらい。しかもその試合はシティが勝ったのである。

そして昨シーズンくらいから1試合で全部の局面を見れるようになった印象。全部の局面を見れるってのは、リバプールは当然十八番のプレスもやるしカウンターもする。けれども撤退守備の時間もあるし、ボール保持の時間もある。シティも後方からボールをつないでプレス回避を狙うし、当然ボールを失ったら即時奪回を目指してプレスをする。けれどもロングボールで一発カウンターを狙うこともあればブロックを組んで守備する時間もある。というような。じゃあその一見がっぷり四つな戦いの勝敗を分けるものはというと、細部の違いである。

 

ということで試合全体の展望は難しい。今回のプレビューでは肝となりそうなその細部をいくつか見ておこうと思う。

シティのプレス回避

シティがボールを持った時、あっさりと自陣まで運ばれたら堪らないのでリバプールはいつも通りプレスをかけることになる。それは3トップが背後のパスコースを切りながら寄せていくいつもの形。

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リバプールの最終ラインの背後には大きなスペースがあるし、ラポルトやエデルソンは高精度のロングキックを持っているから一気に裏のスペースを狙うということもあるだろうけど、基本的にはボールを捨てないパスを選択するのがペップの哲学。

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こうしたときにはベルナルド・シウバがロドリの脇に落ちてきて2ボランチ化。そうすることでサラーの背後に隠されていたアケにパスを出せ、前が向ける寸法。まあちょっと大袈裟に書いたけど、これも今や対リバプールのプレス回避としてはテンプレみたいな作戦で、アーセナルチェルシーなんかもリバプール戦の時にはしっかり搭載していた。

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チェルシー戦。この時はコバチッチが降りてきていた。

んで、この作戦が上手くいくとサラー側からプレスが剥がされ運ばれてしまうというのはリバプールからしても折込済みで、かといってチェルシー戦のようにハマれば一気にチャンスが作れるプレスである。止めるわけにはいかない。プレスの強度とどこまでシティに許容するかがこの試合の一つの細部となる。

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プレス刈り取る気MAXの時のリバプールは、まずベルナルド・シウバのところにケイタが寄せここで刈り取るのが目標だ。前をむかせず、バックパスも3トップで切る。時間をかければヘンダーソンも出ていくこともある。そしてもう一段階シティに許容するならば大事になるのがアケに出た時のアーノルドのポジショニング。ここでアーノルドがアケまで出れればプレスのやる気があるんだなと見てもらっていい。

ただシティだって優先順位はある。このSB経由のボール運びより前に、縦に出せるなら縦パスを出すというのは全体で共有されている。

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このアーノルドが出て行った時だって、後ろを見れば4対4の同数になっている。一発ベルナルド・シウバがケイタを躱せたらあっという間にチャンス。正直守りきれる気がしない。だからこそケイタにはまず縦パスを出させないことを優先として、細部に拘って守備をしてもらいたいところである。ってかその場合ミルナーとかありそうだな。いや、ミルナーの方がスタメンっぽくね???

それでもアーノルドが出ていかない時だって、結局はスターリングの1対1でボックス内でワチャワチャするのがペップの狙いでもある。ただまずはその外経由のパスでアーノルドとスターリングの1対1の構図を作らないと、シティに中と外の選択肢を選ばせて蹂躙されるのでその大事な鍵はプレスの掛け方と強度になる。

 

リバプールのプレス回避

シティのプレスは結構相手によって変えてくる印象。基本は即時奪回が約束なのだが。これもリバプールにどこまで許容するかがポイントとなる。リバプールのようにCBまでプレスをかけることもできるだろう。ただ、シティと違うのは遠慮なく最終ラインの裏にボールを蹴り込んでいけること。待っているのはサラーとマネだし、ボールの出し手はアリソンなり、ヘンダーソンなり、マティプなり、最近対角パスが上手くなってるゴメスなり、そして両SBだ。シティとは違いここにかなりの自信がある。じゃあロングボールを蹴らせない、中盤少し間延びしてもいいからとシティに割り切られるとファビーニョ、チアゴがいない今、ちょっと厳しいかなというのが予想。チェルシー戦は相手がミドルゾーンからプレスをかけてきたが、その場合ヘンダーソンの長い展開から左右に揺さぶってチャンスを作れていた。が、ウェストハムだったりハマーズの方が真ん中が使えないリバプールが苦しんでいた。

ということでつまりはシティの最終ラインへの信頼がプレスの強度に関わってくるわけで、ブロックを組んでも守り切れる!なのか、ロングボールが来てもサラー、マネを抑えられる!なのかで試合の展開が決まってくるんではなかろうか。

 

 

ってことでこれほんとにプレビューとして機能するのか微妙なのだが一応締めておこう。正直言えばどうなるか分からん。それでもこのプレスの掛け方がある程度試合のテンポやこの試合への捉え方をみるポイントになりそうだなと思って見ていただきたい。

怪我人などでイマイチ調子が上がらないこの2チーム。それでもその状況を受け入れ、完璧ではないながらも、出来ることを頑張ってやってきている。その中でのこの試合はそのチームでどこまで細部にまで拘ってやってきたかが分かるだろう。この試合でシーズンが決まるわけではなく、むしろこの後の混戦のプレミアリーグをどう乗りこなしていくかという贅沢な試金石になりそうな試合だ。